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2026/09/07

気遣い、心遣いがデザインをつくる

 先日、社内スタッフとの会話の中で「掃除をおろそかにする人は、何事も飽きるのが早い」という興味深い話を聞きました。

最初は綺麗にし、気をつけて取り組んでいても、慣れてくると少しずつ感覚が麻痺していく。床に落ちた小さなゴミやデスクの乱れ、使った道具が元に戻っていない状態に対しても、「別にこれくらい大したことじゃない」と思えばそれまでかもしれません。

しかし私は、こうした小さな変化に気づける感覚こそが、私たちの仕事において極めて重要だと考えています。

私たちが手がけるリノベーションの仕事は、単に図面を描き、素材や照明、家具を選び抜くだけがデザインではありません。「この高さはお客様にどう感じられるか」「もう少し使いやすくできないか」「この納まりを、あと数ミリ美しく仕上げられないか」といった小さな違和感に気づき、もう一歩深く考え、仲間に相談する。本当に良い空間づくりに必要なのは、そうした表面化する前の細やかな気遣いや心遣いです。

ゴミが落ちていたら拾う。乱れていたら整える。次に使う人のために元に戻す。指示されたからやるのではなく、気づいたから自ら動く。掃除も仕事も、そしてデザインも、すべて根底では繋がっています。

お客様が言葉にしない意図を汲み取る。職人さんが動きやすいよう準備を整える。仲間が困らないよう少し先回りする。完成すると見えなくなる部分まで誠実に向き合う。その小さな積み重ねの結晶が、最終的に「空間の質」として現れるのだと思います。

仕事に慣れ、効率やスピードが上がるのは良いことです。しかし、「慣れること」と「雑になること」は決して同じではありません。年数を重ねても最初の頃のように小さな違和感に気づけること、相手を思いやれること、当たり前を愚直に続け、感謝を忘れずにより良い形を模索し続けること。

気遣いと心遣いが、確かなデザインをつくる。かっこいい空間をつくる前に、まずかっこいい仕事ができる人間でありたい。私自身も含め、チーム全体でこの姿勢をこれからも大切に育んでいきたいと思います。

株式会社SOZO FACTORY
代表取締役 永吉 一成

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